Stage 9: 本気と書いてマジで乗る

Sora

Basho's companion
Nov 2, 2005
933
46
58
117
Yokohama -> Fukuoka
www.e-wadachi.com
#1
Tokyo Enduro 2006。4時間耐久レースに”チームTCC”として初のレースに臨んだ。 スタートから2時間が過ぎ、2時間耐久部門のゴールのアナウンスが場内に流れた。 「そういや1時間おきにレースの途中経過が速報で掲示される筈だな、ちょいと覗いてみるか。」結果を覗き込む2時間部門の人たちの群れに私も紛れた。「”4時間チーム男子”は、と・・・。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。んっ!?:eek: 」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。『”11位:TCC"』 一瞬目を疑った。再度よーく見た。『”11位:TCC"』順位もチーム名も間違いはない。 ピット(という名のただの荷物置き場)へ文字通り一目散に飛んでいった。 「おい、俺達11位だぞ。」「なにーっ!!!!!:eek: 」一気にその場にいたメンバーのボルテージが上がる。 「よし、何が何でもトップ10だ!!」 "Cycling with fun"。この合言葉の元に集まったお気楽な面々だが、この日は最初から10速全開。当然全速力で走っていたが、このニュースにさらにみんなの目の色が変わった。 今回は初めてのレースであり、誰も戦術なんぞ解っていない。最初に決めたことは一周5kmのコースをひとり2周で交代、走る順番はこう、それだけである。出場したカテゴリーに年齢制限はない、ただ「4時間チーム男子」である。いかに普段は「早い連中だよなぁ」とは思っているうちのメンバーだが、10代、20代の若い連中のいるチームにかなうはずはない。「今回は顔見世興行だよな。」と私は当初考えていた。しかしその私の思いは完全に吹き飛んでしまった。 トマスさんが戻ってきた。「オレの後ろには3人しかいなかったぞ(=残りは振り切った)。」彼の額に汗が光っていた。
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シェイさんが走り終えて戻ってくるところですれ違った。相変わらず軽妙におどけてみせる彼だが、目の奥が笑っていない。その頬には汗が伝っていた。
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トラさんが帰ってきた。いつもどおりにタバコをふかした後ばたりと倒れこむようにシートの上に寝転がった。1回目は20人の列車を引っ張っていた(それだけでもものすごい!)彼が「今回は4人で走った(=16人は振り切った)。心拍数は200を越えた。」といった。
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無理やり走らせたシノブさんが「私遅くなかった?」。大丈夫、私の1回目より遥かに速い!
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3時間が経過して、私はまた順位を見に行った。『TCC・・・・・12位』 「もう順位は動かないのかな。」私だけではなく、みんなもそんな風に思ったのかもしれない。少しだけ重めな空気を感じた。が、それでも最後まであきらめることなく全力を尽くした。 最後の15分は選手交代はできない。シェイさんに万全の体制で交代の準備をしてもらい、サポートでアッシュさんに待ってもらいつつ、トマスさんの調子を図るべくトラさんと二人最終コーナーでトマスさんと話せる距離でまっていた。トマスさんがやってきた。「まだいける。」その言葉をきき、あとは彼に託した。 午後3時15分、レースが終了した。 あまり期待をせずに私は最終速報の掲示板に向かった。「12位になったんなら期待以上、上出来上出来。」人だかりを掻き分けた私は口をあんぐりと開けた。・・・・ 『TCC・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・:9位』
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叫びたい衝動を抑えて全速力でみんなの元へ向かった。 「みんな、おれたちゃ9位だ!!!」 「ほんとう!?やったー!」 歓喜の輪が広がる。まるで甲子園で優勝したような騒ぎである。


"No trainers, no team managers, no strategy, just hard riders and determination!" (by Sha)
Top 10に入ってしまった。とんでもないことをやってしまったような気がする。とーぜん、忘年会が盛り上がりに盛り上がってしまった。一年の最後を飾るのにこれ以上のことはなかった。 「ソラ、こういうレース(エンデューロ)は他にもあるのか?」今回、残念ながら直前の怪我で出走できなかったアッシュさんが訊いてきた。「・・・・・・かなりある。」嘘をつくわけにもいかず正直に答えた。うーん、やっぱりみんなこっちの方面にいってしまうのか。来年はtop5、あわよくば表彰台を真面目に狙うのはいうまでもない。 オレも巡航速度35km/hを越えなくちゃいけないのかなぁ。 レースに応援に来てくれた、ピートさん、チャーリーさん、シェイさんのガールフレンドさん、ひとりで4時間がんばったノブさん、忘年会に出席してくれたマユさん、フィルさん、カバさん、トモコさん、皆々様に謝謝。 24周目、「for the team」と叫びながら、のろまなロードバイクが一台、バックストレートを必死で走っていたことは誰も知らない。