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Stage 23: ”D”とは?

Sora

Basho's companion
Nov 2, 2005
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「"D"ですよ!"D(ディー)"!! TCC New Year Tourからまだ1週間もたっていない。たまたま飲み屋で隣り合わせたimaiさんが興奮している。 "D"とは何の話か。SLの形式の話だ。C57とかC62など知っている方も多いだろう。そんな中でもD51(通称デゴイチ)はもっとも有名な形式であるに違いない。その頭文字の"D"の話なのです。 私は所謂"鉄道マニア(通称てっちゃん)"ではない。乗ることにも、車両にも、駅にも、時刻表にも興味はほぼない。が、SLとなると話は別だ。蒸気機関車はまったく別次元の乗り物なのである。電車やディーゼルとは段違い平行棒なのだ。 --------------- 20年前、自転車に乗る前、バックパッカー時代の話である。偶然津和野(山口県)で初めて"動くSL"やまぐち号の出発する場面に出くわした。ホームのよく見える駅の傍らの空き地で、私は観光客に混じって出発前の"貴婦人"C57をぼんやりと眺めていた。アナウンスが聞こえ、ベルが鳴り終わると、その黒い鉄の塊は突然、怒り狂うがごとくの轟音とともに大量の灰色の煙を吐き出した。ガツーンときた、身震いした。山々にこだまする音が引くと塊はゆっくりと動き出した。目の前を通り過ぎ、その姿が見えなくなるまで私は呆然としていた。 というような体験もあってですね。私にとってSLとは特別なものなのですよ。よって、私にとっては"動いていないSLは意味がない"。新橋駅前にあるものなどはただの鉄くずなのです。 もうひとついうと、動いているSLは"観る"ものではなく、"聴く"ものです。あの音は一度聴いたらやめられないとまらない。麻薬のように習慣性があります。絶対。 ------------- 「D51(デゴイチ)ですよ、デゴイチ。あれからいろいろ調べたんですがね、Dは違います、Dは。絶対いきましょう!」 New Year Tourの時に観たのはC12。小型で短距離用の機関車である。対してD51は大型の長距離用、貨物列車の運搬車両としてよく使われたものだ。観光目的で復活しているSLは全国にあるが、D51は車体重量が重過ぎて線路を傷めてしまうそうで定期的に走らせている路線はない。逆に言えばそれだけ迫力があるっ!ということである。 そのD51が1月末に外房をスペシャル企画もの列車として走るらしい。New Year TourのC12にすっかり感銘を受けたらしいimaiさんが興奮しているのも無理はない。 (しかしなあ、房総だと風も強いだろうし、なんといっても今ぜんぜん走ってないからなぁ。New Year Tourもその後の荒川ランも(走りは)ひどかったからなぁ。大丈夫かなぁ。) などという私の心配をよそに、「1月26日、デゴイチ」という企画はそのとき、酔っ払い2人の間でほぼ決定したのであった。 ----- つづく。
 
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